掛け値なしのバッドエンド（挨拶
うへー、一気に読みきって、リピートで読んでまた一気読み。休むところ無いよ。
これが映画だったら、打ちのめされて暫く席を立てないくらいの結末。次にFateが続いてくれて本当に良かった。
白状するとニトロプラスの作品ってデモンベイン以外未プレイなんですが、他の虚淵作品ってどんなんなんでしょ？
この作品がどれだけ異常かってのは、
一番良好な関係を築いたコンビが竜之介とジル・ド・レェってそれどうよ？なトコロで十分説明できると思うが、さて。
前三巻みたく考察するのも野暮なんで、つらつらと感じたことを。ネタバレあります。
・冒頭は武器解説
つまりバーサーカー＝ランスロットのステータス表は闇に葬られましたとさ。納得いかん！
是非マテリアル本とか出してくれ！もしくは今年から展開するCDドラマのブックレットとか！
ルルイエ異本の解説が推測どおりでニヤリ。
・イントロ。切嗣と関わる母達、姉達。
シャーレイと切嗣との関係をみて、何故か士郎と藤ねえの二人が脳裏に浮かんだ。第四次終結後の衛宮邸で、二人の様子をみて切嗣は何を思い、逝ったのか、みたいな。
だからといってゼロでは藤村の出番は一文字すらないけどな！誰だって火傷は恐いわけだし。その辺にしておけよ藤村。
シャーレイの時は判断を間違えた。ナタリアの時は間違えなかった。
それでも切嗣にとってかけがえの無い家族は「切嗣のせいで」死んでいるという事実。少年期、青年期の時点で、正義の天秤は切嗣を翻弄していたわけで。
・ホントに何しに出てきたんだ遠坂父。
んー、てっきり四巻では脱引きこもりして、魔術戦のエキスパートとして大活躍するもんだと思っていたが。
すっかり忘れてた、今宵のステージは聖杯戦争。真っ当な魔術師やサーヴァントから痛い目を見ていくルールだったぜ。
彼の敗因は疑うことを知らないポジティヴな思考…と言うよりは世間慣れしてないトッチャンボーヤなだけっぽい。高貴と無知は紙一重。
と言うわけでモスト・デンジャラス・コンビ爆誕。お代官と越後屋みたい。
・この後ずっと言峰のターン。雁夜くん壊れる。
令呪のストック安売りしたり、バサカの変化能力でアイリをさらったり、やりたい放題の巻き毛襟足。
敵を先に奪われて雁夜くん涙目。死人にも生存者にも厳しいFate/Zero。しかもこの後利用されっぱなし。つくづく報われねえ。
葵さんも罪深いっちゃあ罪深い。もっとはっきり正確に「お前なんて眼中に無いんだよこのワカメ」と告げてあげれば（ぇ
結局誰が葵の夫でだれが桜と凛の父親だったのか、雁夜は理解することなく精神崩壊。壊れ逃げ？
雁夜に限らず間桐の運気は全てあの蟲ジジィが吸い取っているに違いない。「やばいこの爺さん生かしておくとロクなことにならねー」と殺害フラグを立てた言峰。直接対決は桜ルートで実現。結果は周知の通り。代行者が凄いのか言峰が凄いのか。
・やはりバイク。セイバーVSライダー。
メルセデスや銃器の時もそうだが、作者の筆はメカ描写で冴え渡るらしい。気合の入り方違いすぎ。
元日の日記でも書きましたが、是非V-MAXに魔力を纏わせたセイバー仕様を全体像で見てみたい。
マテリアルで「セイバーとの戦闘で消耗したイスカンダル〜」と解説があったが、エクスカリバーとの直線一本勝負でゴルディアス・ホイールを消滅させられた、ってことか。
・ライダーとウェイバー
ライダーの王道と「最果ての海などない」という目標喪失の哀しみと、なんか色々話してます。二人も四巻にしてようやく歩み寄りが。
いやこの二人も良好な関係だったんですよ？少しづつイスカに引かれていく気持ちを素直に表現できないウェイバーにどれだけ萌えられるかってところがキモ。そろそろ四巻で尺も足りないから一気にデレていくぜー！！畳み掛けるようだ！
でもこいつ男なんだぜ…orz
令呪三連発から「僕なんかでいいのか」で赤面ｗ ラストの「僕の王は貴方だ」発言から涙腺がフルオープン状態。
ギル様に殺ル気まんまんでメンチを切られてましたが、ここのウェイバーの漢ッぷりには本気で感動した。見逃すギル様の台詞にはもっと感動した！
人が生きていく上でのあり方みたいなものを学んだウェイバー。そして時計塔や某喫茶店ではあの振る舞いか。
ラストでうっかりゲーム機の箱を開封しちゃう辺りから、彼のゲームライフが始まったようで。
そのまま引きこもりと化す…ってネタは誰かがアンソロでやるに違いない。
あとあれだ、グレンおじいちゃんは男前。
・ギルガメッシュVSイスカンダル
以前ギル様の勝てる要素が見当たらないとか恐れ多いことを書いてしまった自分ですが、猛省してます。エアの威力がハンパなかった。ちまちま軍勢を潰していくなんてとんでもない。
なるほど、エヌマ・エリシュはMAP兵器の類でしたか。熱血+必中+幸運で一網打尽。
考えてみるとホロウのブロードブリッジ戦のギル様を忘れてた。半裸で大はしゃぎして空間に大穴ねじ開けてたっけ。
どれだけfate本編では制約があったんだ、って話ですよ。執着でパワーセーブしたり、油断して全力出す前に影に飲まれたりしてたからなぁ。
ちなみにイスカに天の鎖・エルキドゥがそこそこ効果があるところを見ると、イスカの神性も捨てたもんじゃない。流石ゼウス譲り。
・これ以上無いタイミングでバサカの正体発覚。
虚淵はセイバーに恨みでもあるのか、と言いたくなるほどのいじめっぷり。不完全燃焼ここに極まれり。
王様会議で他の二人からヘコまされ、そりの合わないマスターにストレスをため、挙句自分が王になってしまったが故の失敗の具現化みたいなランスロット登場。さらにこの先に聖杯破壊ときたもんだ。
サーヴァント戦も引き分け・うやむや・水入り・怪獣大戦争で明確な勝ち星もないし、そりゃゴメンナサイしたくなる（涙
本来のアーサー王伝説にプラスして、アーサー王が女性＝アルトリアだったという設定が、なお三角関係に色を添えます。
挿絵のランスロットを見て、サモンナイト２のルヴァイドみたーい、と脳内ではしゃぐ俺はどれだけ守備範囲が狭いのでしょう。
アロンダイトはエクスカリバーに勝るとも劣らない名剣ですが、作中では通常の斬撃のみに使用。エクスカリバーみたいに最大出力で宝具開放は出来ないのだろうか。バーサーカーのクラスだから無理だとか？
・切嗣VS言峰。超人バトル。
動きすぎだよこの二人ｗ最終決戦に相応しい内容です。とりあえず言峰は地球人最強。出てくる作品間違えた。
『起源弾』は当然防がれるものだと予測してたけど、令呪を使い捨てにしていたと言う偶然の産物で回避するとは恐れ入る。
あとコンテンダーのスプリングフィールド弾を受け流すってどんだけー。
もうやめて、切嗣のライフはとっくにゼロよ！と思ったらアヴァロンで超回復。死んだフリで銃撃をかます裏技発動。
考えてみるとアヴァロンの所有者も士郎の時とは真逆でマスターが持ったまま。投影なんて出来ないしあのギスギスした関係性じゃやむなしか。
・アンリマユ降臨。女であることより、母をとったアイリスフィール。
と言うべきなのか。まあ厳密な意味で、ラストの問答で登場していたのはアイリではないのだが。
大抵こうしたドラマで犠牲になる恋人って何処かで納得済みというかいい笑顔で逝くものと相場が決まっているのですが、これ以上なく恨み節で退場していきました。まあアイリと切嗣の愛情ってその先の未来（イリヤ）ありきだからなぁ。
「誰かの不幸によって結果として別の誰かに救済（実際にそうであるかはさておいて）をもたらす」という聖杯。天秤問答はもちろん、切嗣が続けてきた正義の味方の究極系。
つくづく切嗣と第五次アーチャーって思考が似ていたなぁと再認識。
秤にかけて多い側しか救えない世界が嫌だったから、一方は聖杯を求めて。一方は人間以上の力を求めて。失敗の原因はどちらも同じ。
独り観客の言峰は聖杯の本性を目の当たりにしてヨダレ垂れ流し状態。
・聖杯破壊
で、Fate本編のオープニングに繋がる大火災が起きるわけで。言峰生存の理由とか、聖杯破壊の経緯とか、ギル様はいかにして聖杯の「泥」をかぶってしまったのか、などなど、本編で断片的に語られた（あるいはうやむやになっていた）内容を辻褄あわせに終始しない密度の濃さで描写。
・時は流れる
凛は幼少時より男前。自分の父親を刺したアゾット剣を娘に渡してその表情にご満悦とか、それにしてもこの言峰、ノリノリである。でもめぐりめぐって自分へのとどめ武器に使用されるんだから因果応報というか。
切嗣が悔恨するべきことと、未来への希望は同じ。「始まりの気持ちを忘れないこと」
想いは士郎に受け継がれ。
理想を追って。何も出来なくて。全てを捨て去って。最後は子供に丸投げして。
切嗣の一生にどんな価値があったのか。
バッドエンドなのは重々承知しているけど、妙に胸にひっかかるものがあります。
というわけで。
Fate/Zero四巻でした。よーしまた一巻から読んで久しぶりにFate本編やり直すかー。
あーでもその前にうみねこ二話やってスパロボやらんと。
うみねこはオープニングのメガネと紗音のイチャつきっぷりから怒りのままに一時封印指定。俺に宿れ肝要な心。
スパロボはかなり進展。ラミア帰ってきたー。
どうでもいいがコンパチブルカイザーの戦闘BGMが、イントロの部分で一瞬コンバトラーVに聞こえてしまう。もう駄目だ。
あ、余談ですが。ZeroのCDドラマ心待ちにしてます。
なにせアイリスフィール＝大原さやか だろ？
メルブラでアルクェイドやってた中の人がスプーン片手に歯軋り。
そんなこんなで。
