仏の顔も3℃まで

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バンダイ HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール

―お前は染みだ。真っ白なシーツを汚す染み。この手で消し去ってやる(挨拶





ハンマ・ハンマの完成形のような機体が「薔薇」モチーフと言うのも皮肉なものですね…。

HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール (機動戦士ガンダムUC)

HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール (機動戦士ガンダムUC)

今回は、『機動戦士ガンダムUC』にて登場のモビルスーツローゼン・ズールの1/144プラスチックキットを紹介!






YAMS-132 ローゼン・ズール
かつてアクシズネオ・ジオンで運用された試作モビルスーツ『AMX-103 ハンマ・ハンマ』のコンセプトを昇華させ、『AMS-129 ギラ・ズール』をベースに開発された試作MS。本機は当初から『MSN-06S シナンジュ』の予備パーツを流用する事が設計段階で決定しており、内部機器やプロペラントタンクと言ったパーツの他に、コクピットブロック周辺に組み込まれたサイコフレームもそのまま採用されている。
所謂サイコミュ搭載機ではあるが、本機は非ニュータイプの一般兵が搭乗する事を前提とし、準サイコミュ装置も組み込んだサイコミュ技術のハイブリッド・タイプとして完成した。
未だその全容が解明されていないサイコフレームにはニュータイプが発する感応波の送受信のみならず、一般人の微弱な脳波でも感知できる機能があると判明。その特性を機体制御の向上と言う点に特化させ、攻撃面ではOSによる機械的な補助・再現が主となる準サイコミュ装置により、遠隔操作式の兵装運用をはじめとする総合火器管制を担当する。
一般兵が扱えて、かつ単体での戦闘能力が高いサイコミュ搭載型MSという設計思想は、まさしくAMX-103が当初の目的としながらも実現しきれなかったものであり、宇宙世紀0096年代の技術でそれを成し遂げた本機は、系列上はAMS-129系のバリエーション機という位置付けながら、薔薇の意匠を全身にあしらった異質な外見も含めて、AMX-103の後継機と表現しても差し支えないだろう。
主な武装は、三連装メガ粒子砲とそれを覆うように三又に延びたクローを備えた腕部、及び左腕に装備したシールドである。
腕部は準サイコミュ兵器「インコム」として射出され、有線制御による簡易的なオールレンジ攻撃が可能。方向転換時に使用するリレー・インコム(中継用の重石)が前腕とクローの間に三基連なっている。
シールドには中央部にIフィールド・ジェネレーターを内臓し、周囲に三門のメガ粒子砲を搭載。Iフィールドによる防御機能だけでなく、メガ粒子砲によるビーム砲撃をそれぞれ偏向させ拡散照射も可能。
加えて、背部コンテナには「サイコ・ジャマー」と名付けられた特殊デバイスを計六基搭載。薔薇のような形状を持った小型端末は「対ユニコーンガンダム」用に専用開発されたものである。
この装備を以て、本機は『RX-0 ユニコーンガンダム』に対抗する為の「切り札」たらしめる…との事だが、詳細は現時点では不明である。








ガンダムUC・エピソード5の後半に登場し、その圧倒的な性能とヤンホ忠臣ぶりを遺憾なく見せ付けたローゼン・ズール
続くエピソード6でも活躍が期待されるMSがHGUC・1/144スケールプラスチックキットとしてリリース。
正直なところ、素組み派の自分には様々な理由からハードルの高いキットとなりました…が、組み上がったボリュームある機体を眺めると何とも言えない満足感が。
劇中の無双ぶりを再現出来る内容盛り沢山の凶薔薇さんです!











前後から。
肩や大型のクロー、バックパックの影響で非常にトップヘビーな機体になっていますが、しっかりバランスをとれば自立には問題なし。













近場からぐるっと。
モチーフとなる薔薇の意匠がそこかしこに確認できます。
ベースとなるギラ・ズールの面影が腰から脚部にかけて残っていますが、新造パーツのインパクトが強すぎて全く別の機体に見えます。
キットは複雑な面構成・ボリュームのある機体デザインを丁寧に立体化。独特(妖艶?)なシルエットが再現されています。
個人的にローゼンさんの頭部と襟、首が埋没したデザインが好み♪


で。
キットを手に取ってランナーを確認された方の大半が抱くであろう本キットの問題点として、成型色の違和感が挙げられます。
エピソード5に登場した際のカラー画稿やキットインストの塗装サンプルでは紫色になっている箇所のランナーが、キットではかなり茶色がかった成型色で再現されています。
腕部や脚部のピンク色も設定より濃いめになっているので、全体のバランスを見れば悪くないのかもしれませんが…ううん(滝汗


個人的にはどうしても違和感を払拭出来なかった為に、今回、問題のランナーだけスプレー塗装してみました。
と言っても下地を吹いてから缶スプレーでイメージに近い色を吹き付けただけなんですけどね…。


ちなみに使用したスプレーは、タミヤカラーのラベンダー。

(紫色だから、とパープル系の缶スプレーを選ぶと失敗しそう…青の色味が強すぎるようです)


『袖付き』MSの外見上の最大の特徴となるエングレービングですが、今回のローゼン・ズールはかつてのシナンジュ並みの装飾の多さを誇ります。
付属のシールでほぼ全ての箇所をカバーできたので、今回は横着してシールを使用。
バーニア内部やプロペラントタンク等にガンダムマーカーで部分塗装を施し、スミ入れしてストレート組み。
つや消しを吹いておしまい。








一代前のアンジェロ搭乗機、および大佐のシナンジュと並べてみます。
予想以上の大きさにびっくり。アンテナを除いた頭頂高だけならシナンジュを上回ります。




参考レビューとして
バンダイ HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)
バンダイ HGUC 1/144 MSN-06S シナンジュ - 仏の顔も3℃まで
こちらもご覧いただけたら幸いです。






可動箇所の紹介。まずは頭部の可動。
ボールジョイントによる可動と、首元に引き出し式関節あり。
モノアイは非可動。シールを好みの位置に貼り付けるだけとなっています。






肩と胴体の接続部で前方に引き出し可動あり。肩アーマーが独立して上下にスイング。
肩ブロックでスイング可動二点。上腕でロール。
肘はボリュームが邪魔をして、曲げられて90度強。





三本の爪はそれぞれ独立して開閉可能。





胸部・腹部の可動。
単純な腹部のボール可動に加えて、胸部で前方にスイング可能。
…エレガント敬礼用に組み込んだとしか思えないw






フロントアーマー、サイドアーマーがそれぞれ独立可動。
サイドアーマーの接続方法がちょっと面白いです。横への可動だけでなく、後方に流すような動きで脚部の可動を妨げません。







脚部の可動。
股関節の接続部で横に若干ロール。股関節自体は軸可動による開脚。腿でロール。
膝二重関節。足首は前後スイング+ボール可動+つま先独立可動。
脛エッジ部分が上下にスイング。
接地面積こそ狭いものの、足首周りの可動域はなかなか優秀。





バックパックのプロペラントタンク、およびサイコ・ジャマー搭載コンテナが独立可動。








で…。




ご注意!
今回のローゼンさんですが、膝可動に爆弾を抱えています。
上の画像は脚部を半分に割って横から見たところです(分かり辛くてスミマセン…)
問題は白い○で囲った部分。このすぐ下にポリキャップによる可動箇所があるのですが、関節配置の関係上、膝可動による負荷がここに一点集中します。
ちょうど円の中心辺りが非常に薄いプラパーツになっていて、少し動かしただけでもモッキリ折れてしまう危険性あり。
加えて、赤い○部分にストッパーが設けられている為、深く膝を曲げようとするとてこの原理でさらに破損のリスクが高まります。
自分も危うく壊してしまいそうに…(画像をよく見ると白○の中心が白くひび割れているのが分かってしまうかも)
可動を重視した結果ですが、明らかに強度不足なのでは…一度完全に折ってしまうと修復はかなり難しそうです。
自己責任とはなりますが赤○部分を削り、かつ膝を動かす時は黒い膝関節ブロックを支えてゆっくり動かした方が多少マシになるかと。
もっと上手い補強方法が思いつけば良かったのですが…。









他のHGUCプラキットと同様、股下にスタンド接続用の3mm径ジョイント穴が設けられております。






付属品一覧〜。
インコム用ケーブル、リレーインコム(収納・展開それぞれ6基)
サイコ・ジャマー(展開)×6、サイコ・ジャマー(収納)×2
台座×4、支柱(短)×4、支柱(長)×2、リレー・インコム用アダプタ×2





付属品と武装の紹介。





Iフィールド・メガ粒子砲内蔵型シールド。
特にギミックはなく、腕部にじかに装着可能。







サイコ・ジャマーや伸ばしたインコムを保持するための支柱が付属。






背部コンテナは展開可能。
中のサイコ・ジャマー(格納状態)を取り外しできます。






支柱を利用し、サイコ・ジャマーを展開状態でディスプレイ可能。







腕部インコムはリード線を介して伸長状態に。間にリレーインコムを通しておきます。





リード線は長めの物が片手分付属。
画像のように両手とも展開する場合はリード線を半分に切って使用します。
中継部分のジョイントに3mm径ジョイントが設けられていたり、かなり展示に配慮の行き届いた仕様なのですが、
正直なところ、リード線を半分にすると中継部分の台座が別に無くても…(汗






ここからはアクションポーズを!













クロー持ちMSのなんとカッコヨイ事か…。















エレガント敬礼しつつスィーッとフェードアウト。








というわけで。

以上!HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズールでした!



原作小説でクセの強い隠し玉としてその性能を(パイロットの性格ともども)如何なく発揮する姿や、アニメ版初登場時の無双っぷりに驚かされたローゼンさん。
大型の機体ですが各部位の造形は大味なものではなく、組み上げると密度感のある重モビルスーツが楽しめます。
装飾過多気味でも各部の可動域はかなり優秀、インコムやサイコ・ジャマー等のギミック面も抜かりなし。
…なので、とにかく成型色と膝可動の二点が惜しい!惜しすぎる!特に色!
「素組でも劇中に近い色を再現」というHGUCの利点が、残念ながら今回はあまり感じられませんでした。
まあその分、缶スプレーではありますが塗装作業を楽しむ事が出来たわけですが…手をかけた分だけ愛着って湧くものなんですねw
キット自体のプレイバリューは非常に高いだけに、色々と敷居の高い印象を与えてしまう商品になっているのが残念。
塗装も含め徹底的に作りこむ方には間違いなくおススメ。素組み派の方は…御覚悟を。
でも、いつもより一手間増やしての作製をするのもありかも知れません。
ところで、こうして発展機体を作ってみると…現在のクオリティでキット化しませんかねえハンマ・ハンマ
どこまでも伸びるよインコムアーム!(ぇ


そんなこんなで!















…ひとつだけおまけ。
(ここからは原作小説のネタバレ含みます!未読の方はご注意を!)



















「どうだ、サイコ・ジャマーの味は。貴様など、しょせん『ガンダム』にならなければ何もできんのだ!」




キットインストでも機能説明を避けていたサイコ・ジャマー。
アニメ版ではどのような使い方をされるのか、演出を含めて今から楽しみです。





「現実を見ろ!」の台詞にちょっと凹んだ小説版。そんなこんなで。