定番にはしたくない怪談?シリーズ
カーネルおじさんの怪 の巻(挨拶
稽古場として利用している施設が近いため
東武東上線の某駅を利用している。
この駅、改札と目と鼻の先の距離にケンタッキーフライドチキンの店舗がある。
というより、駅構内にめり込んでいる。
当然ケンタッキーなのだからカーネルおじさんが店頭にいらっしゃる筈だが
どういうわけかここの年季の入った中年紳士は席を外している。
店舗から一、二分歩いた距離に事務所なのか資材置き場なのか分からないが小さな小屋が建っており、
その前に彼が放置…もとい、たたずんでおられる。
その小屋はかなりボロく、あまり従業員も利用している様子が無い。
つまりここのカーネルおじさんに接触を試みる酔狂な人間はほぼいない。
はずなのだが
どうも稽古に行く時、帰る時
見る度にカーネルおじさんの体の向きが変わっているような気がしてならない。
ある時は自分を放置した店舗にメンチを切りまくり
ある時は東上線の線路を穏やかに見守る。
またある時は光合成の如く日光の当たる方角へと体を向けている。
謎だ。
って普通に考えれば動かしている人間がいるわけだが
誰が何のためにおじさんの向きをくるくる回しているのか、それを考えるのは
もっと謎だ。