仏の顔も3℃まで

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I HAVE A DREAM

たまには真面目に鑑賞&感想を(挨拶


今日は銀座博品館劇場まで
ミュージカル座公演「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」という作品を観て来ました。


陳腐ではありますが、感動しました。今は「いい作品を観れた」という一種の充実感で満たされています。


タイトルの通り、今作品は1950年代のアメリカはアラバマ州モントゴメリーで実際に起こった黒人公民権運動を題材にしたミュージカルです。以前共演した、役者としては先輩に当たる方が出演されていた縁で今回観ることが出来ました。


とにかく歌にパワーがあります。ミュージカルを観に行くと、時には「んん?」と思わせる困った作品もあり、そう思う原因の殆どは話の本筋と音楽に一貫性がなく、歌が浮いてしまうからなんですが、今回そういった印象は全く感じられませんでした。
ストーリーと音楽がひとつの方向性を持ってラストまで突き進みます。
劇中での登場人物たちのむき出しの感情がそのまま歌と踊りに叩きつけられていて、ちょっと怖いほどですw キャストさん個々のレベルも非常に高いです(偉そうだ
自分も…アレくらい踊っても歌がブレない頑丈な肉体が欲しいもんです…orz 




さて、ストーリーに関しては細かく書く気は無いのですが、観ていて思ったこと。
歴史(人類史)というものは、一個の生命体のようなものだ、と。


差別・自由・正義・尊厳。
掃いて捨てるほど使い古されてきたテーマ達です。
それでもなお、これらの言葉は人々を強く引きつけます。


差別に対し立ち上がる黒人達。
自分達の世代では夢見た世界は成しえなくても、次の世代、また次の世代へと。
決して問題を先送りにするのではなく、自分達は次世代への礎となる。そのために生きる。
死んでしまっては、諦めては、恨んで武器を取っては…何の解決にもならない。


自分の代で叶った、あるいは近付いた夢があった。
ならば先の世代には、さらに大きな夢を。


個人の問題。種族の問題。人種の問題。
抱える問題は様々ですが、それを乗り越えるために費やした時間は、どれも「歴史」と呼ばれるに相応しいものです。


ドキュメンタリーなどで「地球は一個の生命体」とする言葉を耳にします。
人類の歴史も、それと似ているのではないか、と今作品を観て考えました。


怪我をすればそれを治すための生物の機能が働きます。
環境に適応するために、自己を鍛えます。進化します。
新たな力を獲得します。


黒人差別の問題は、人類の歴史に大きな爪痕を刻みました。
黒人達の叫びが、その傷を癒していきます。「歴史」が血を流し、公民権運動という自浄作用がはたらくのです。
もちろん人間一人一人に痛みがあり、感情があり、ドラマがあり、命があります。
それでも…その一人一人の命が連なって歴史という大きな「うねり」に変わる…その過程を、今作品で垣間見たように思えてならないのです。



今日は公演初日でした。
キャストの皆様、スタッフの皆様には、是非残りの公演も溢れるパワーを叩きつけ、客の手を拍手+手拍子で痺れさせて頂きたいです。
事実自分はそうなりましたw